殺し屋「鬼灯」に所属、暗殺専門の忍。
影丸と夜助、飛鳥の義弟。義妹に柚月がいる、田心忍流の末弟である。
長い白髪を高く結い、首巻と鎖帷子に忍袴を着用。首からは般若面を下げている。武器は忍刀一刀。忍具も使用するが、何より身体を駆使した体術攻撃が得意であり、加えて他者に成り替わり人の目を欺く「化け技」と、相手の技を見て盗む「模倣術」を大の得手術としている。
忍らしからぬ緩く楽観的性格をしており、基本的真面目な雰囲気や話を嫌う。何事にも余裕がある内は手を抜く癖があり、兄の夜助とは正反対の省エネ気質の様だ。
ノリや絡み方が煽りっぽく嫌味たらしい。その上何処か鬱陶しいのでよく夜助の癪に触れ制裁を受けているが、その反面で異様に冷めた一面を持ち、周囲に明るく振舞いながらも時折冷酷な言葉をさらりと吐く、かなりの腹黒でもある。
また、自身の生まれた里の風習の所為もあってか、大の他人嫌いであり、身内以外にはあからさまに差別的態度を見せ壁を作っている。それを本人自身も隠すつもりがなく、身内と他者とでは彼の態度に歴然とした差が出ており、よく言えば同胞愛が強く、悪く言えば差別主義者となる。
長兄の影丸に対し、過去忍時代は彼を強く慕い憧憬を向けていたが、それ故か裏切られた事に対して歪んだ心の傷は深く、今では強く彼を憎悪し、彼の行いを嫌悪している。
又、圧倒的な実力差からも、幼き日より彼に少なからず劣等感を持っていた事もあったのか、彼が関わると軽率に病み繕う余裕すらも無くなる。本心では恐らく影丸を恐れているが、半蔵自身はそれを認めたくもない様子もある。
次兄の夜助の事は「夜助の旦那」と呼び慕う反面で、意見が合わず喧嘩をする事が多い。彼なりにも夜助の身を強く案じての事だが、それを表に出さない為夜助には伝わらず、全面否定され続けている。その為か基本的に夜助には捻くれた態度をとってしまっており、それが更なる関係の溝を作っている。
然し半蔵自身決して夜助が嫌いな訳では無く、夜助自身の才能を認め本心から慕っている。兄としても素直に尊敬し好いており、素直になれぬ言動の全ては彼の隣に並びたい、彼に認められたいという彼自身の承認欲求からの行動と取れるだろう。
又、姉である飛鳥とは実際に田心としての血の繋がりがある為か、他の兄弟とはまた違った信頼感を持ち兄弟の中でも特段慕っており、彼女にしか話せない秘密もある様子。根が優しい飛鳥の身を案じ、労っている。
たった一人の義妹である事からか、末妹の柚月には自他共に認める程扱いが甘く、特に彼女に対し愛が拗れている。彼女の前だけでは常に「優しい兄上」を演じ、献身的に、また誰よりも優先して接してきた。
然しその明るい笑顔の裏、やはり多く闇を持っている人物でもあり、血は繋がってないとは言え義妹に当たる柚月に対し、身内に向ける者とは到底思えない重い恋情を抱いている。
柚月にそれを悟られる事は望んではいないものの「俺が死んだら柚月には一生引きずって欲しい」等という何処か暗い想いも同時に抱いており、そんな歪んだ愛を持つ自身の事を誰よりも半蔵が嫌悪している。
誠吉のことは物語が進む上で絡む事が多く、気に入ってる様子でよく茶化す事もあるが、柚月が誠吉に好意的に接する為、嫉妬心が混じり、私怨じみた理不尽ないびりが入る事もあり、やはりとても陰湿。
実に粘着的でその上繕いが上手い為非常に悪質な性格だが、それは影丸を兄に持つ男だと思えば、納得…とも言えてしまう。