殺し屋組織「鬼灯」にて所属。 鬼灯義空に仕える暗殺専門の忍。
銀色の瞳に、短髪の黒髪。前髪は輪郭より長く、かきあげて退けている。灰色の上着物と黒い袴に身を包み、右手全体は肩下から指先まで火傷痕があり包帯を巻いている。首からは般若の仮面を下げており、武器は忍刀二刀と忍具、針と多種多様に扱う様だ。
元は城に仕えていた「田心」という忍流の上忍であり、義兄に田心影丸そして義弟義妹に飛鳥と半蔵、柚月がいる。
然し義兄弟という繋がりがあるといえど、夜助と柚月だけは田心流派とは血は一切繋がっていない。彼が田心に身を置く事になったきっかけと言うのも田心の前頭目、田心宗角斎がある戦場にて瀕死で倒れていた幼い夜助を拾い助け、田心に引き入れたという情報のみであり、彼自身も語らぬ為にその出自は謎が深い。
現在夢現に所属する影丸の事は過去忍時代彼なりにも兄として慕っており、互いに信頼を置ける相方の様な関係だったが、ある日を境に彼へ向ける信頼感は強い憎悪へと成り果て、軈てその経験は、夜助を人不信へと堕とした大きな原因となる。
其の始まりは、自身らが仕える城、西郷へ、頭目である影丸が流派全体を引き連れ謀反を起こしたことにある。城は陥落し君主も失った彼は影丸含め田心忍流派全体に強い憎悪と殺意を抱いており、その冷めぬ復讐心から彼を追い、義妹達を連れ殺し屋鬼灯へと身を投じ夢現を追う現在へと至った。
誰に対しても傲慢で大きな口を叩くが、決して口だけと言う訳では無い、確かな天才。殺人手腕も鬼灯では先頭を切っての腕前であり、非常に身軽で、鳥の様な飛躍力に風を切るような素早さに長け、それも田心随一を誇った物でありその疾さにおいて彼の隣に並ぶ者はいない。
自分に対しても他者に対しても失敗を許さぬ厳格な完璧主義者で、仕事に関しても一切の手を抜かない彼の腕前には安定した信頼感がある。
頭脳明晰、その上に誰もが認める実力者だが、それ故か自尊心が高くふてぶてしい態度で嫌味を多く口にし、人に媚び諂う事を嫌う為、その性格は酷く扱い難く少々厄介。
忍としては完璧を体現としている彼だが、そんな夜助にも、唯一にして致命的とも言える弱点があるようだ。
また、影丸の事が原因で元々の人不信を更に拗らせており、仲間に対しても冷たく突き放す発言が多く、それも自身の妹弟達に対しては尚更拗れており、誰よりも明確に態度に出し厳しく接している。
半蔵曰くは「兄というよりは上役の様な人」で、西郷の破滅以来は、妹弟達と一般的な日常会話と言える物すら交わす事も殆ど無いらしい。
然し何だかんだ義妹達の事を放っておけない様子もあるのか、彼等が自分の背を追う事は許しており、心無い様な言葉で一方的に叱りつける事は多々あれど、決して彼らを見限る事をしない。
その影には、彼なりの兄としての自覚もあるのだろうか。
誠吉とは馬が合わず、お互いに対し強い反発心を抱いている。
然し、義空からの信頼は光道に並び厚く、夜助もまた義空の事は彼なりにも認めている節があるようだ。又、元の職業柄なのか義空の命令には愚痴を言いつつも決して逆らいはせず、与えられた命令は忠実に完遂する。
斯くても忍としての身を誇りと思っていたのか、主と認めた者は 最期まで守り抜く主義らしく、そっけなく刺々しい人柄ながらも根は割と「真面目」…なのかもしれない。