斑瑪官兵衛が元締め、殺し屋「斑瑪」の密偵。
普段は官兵衛や誠吉とは離れた町で暮らしており、一般市民に紛れ「英 綺蝶(はなぶさ きちょう)」と言う名で身を偽り浮世絵師として生活をしている。現在斑瑪で密偵として暗躍する迄は、誠吉の様に暗殺に出向く斑瑪の殺し屋だったとの事。
赤髪に牡丹色の瞳。首巻と黒手袋を着用し、尻まで長い髪は毛先にゆるやかな巻きがかかっている。
冷静だが飄々とした性格であり、いつもにこにこと笑っている。然し時折何処か嫌味ったらしい物言いをする事もあり、口調は優しくも割とその人格は厳しく、然し意外にも生真面目な所もある様子。
何も考えてない様に振る舞い、態とらしく惚ける様子を見せながらよく観察しており、よく考えている。
過去殺し屋時代は錐の様な針を武器に暗殺仕事をしていたが、ある一見の依頼中に利き腕を負傷したらしく、武器を当時の様に扱うのが難しくなった。
それを原因に殺しの仕事から足を洗ったらしいが、官兵衛の役に立ちたいと思う気持ちは変わらず、結果遠方から彼に必要な情報を調べ提供する彼の密偵として、彼の下に残る事を選んだ。
絵師となり筆を握るのは、過去に握っていた錐を持つあの感覚を忘れぬ為でもあるという。
官兵衛の事を「先生」と呼び慕う。
官兵衛への彼女の強い執着心が表す感情は、敬愛含め、彼に対する純粋な「愛情」とも取れるだろう。
事実彼女は官兵衛に対するその「愛」を明確に彼自身にも主張しており、冗談めかしい口調でありながらもかなり積極的に彼に迫っている。
然し官兵衛は彼女に対し従者以上の感情は無く、官兵衛にその強い告白を尽く躱されているのが現在の美和の日常である。美和自身も脈無しだとは理解しての行動らしい。
官兵衛とは長い付き合いで、誠吉が出会う遥か以前から彼女は官兵衛の下についており、官兵衛からも「信頼している」との言葉をかけられている。
故に、彼の古馴染みである義空や光道、夜叉丸とも彼女は顔見知りである様な様子を時折見せている。
誠吉の事は彼女なりに可愛がっているのだが、彼が官兵衛との約束事を破れば速やかに官兵衛に密告したり、彼に対し少々意地悪い態度を取り嫌味を言ったりと、誠吉を揶揄う事も多い為、そういう意味では誠吉からは苦手意識を持たれている。
然し、美和本人はあまり気にしておらず、誠吉の反応を楽しんでいる様子さえあり、やはり少々意地が悪い。
然し、誠吉に向けて全てが揶揄い言葉という訳でもなく、本編物語上にて苦悩する誠吉に助言をしてみたり、誠吉の知らぬ場で彼に対する愁いを告白する等、彼に対しての想いは強く、本心では誠実に彼に向き合い、彼の身を案じているとも取れている。