山奥の廃寺に隠れ住んでいる総勢9名の殺し屋組、鬼灯(ほおずき)の元締め。
僧侶に似た出で立ちの大柄な男。瞳は深い紫色で短髪の黒髪の上から頭巾を被り、袂の長い派手な着物を着ている。
ある理由から斑瑪官兵衛の消息を執拗に探り、情報屋である部下の零仙の力を使いついに官兵衛の居る里を探り当て己の密偵の部下を里へと送り込んだ張本人。
彼の支配する殺し屋組「鬼灯」は悪名が高い事で知られ、幕府からも厳しく目をつけられている。
使う手段は殺し屋の世界でも卑怯その物であり、義空含め組織全体が目的の為に手段を選ばぬ質であると捉えられる。また殺し屋狩夢現とは敵対関係の様だ。
高飛車で強欲で横暴、その上金に汚いという最悪な性格が表面に目立つ。然し全てに対し手厳しい訳でも無く、同じ痛みを知る者には意外にも慈悲深い様で、それらの傷を負う者には手を差し伸べる温情もある。
特に自分が仲間と認めた者には寛大で人間らしい感情を持っているらしく、部下との壁を作らず気さくに接し、人望も厚いのか遠方のあちこちにも知り合いやツテを待つ。
基本的に緩く生きており、堅苦しく束縛される事を嫌う。
己の部下に対してもその考え方で接している様で、日常の中でも各々の生き方や考え方をある程度尊重してやり、乱れぬ程度の自由を許している、所謂放任主義。
だが無論適当という訳でもなく、ある程度の規律は彼の中でも定めており、確と其の考えを部下にも提示し従わせている。普段の傍若無人な振る舞いからは頼りなさげに見えるが、実はそれなりの信念を待ち合わせる威厳強く侮れぬ人柄のようだ。
然し、日常では基本的に常時酒を飲んでおり、その酒好きは筋金入りの様で、仲間からは素面の時の方が珍しいと言われる程に常に酒を手に持っている。其の為普段の様子からは殆ど威厳は感じない。
夢現夜叉丸、斑瑪官兵衛、また同組織に属す光道とは古馴染みであるが、理由があり光道除く二人と絶縁し現在では敵対する関係となっている。
また、同じく古い顔見知りである、現在の官兵衛の部下、吉原美和の事は気に入っていた様で、過去の話とはなるものの特別彼女の事を可愛がっていたらしい。