殺し屋狩り集団を名乗る組織、殺し屋狩夢現(ゆめあらわ)の幹部の一人。
夢現の元締めである夢現夜叉丸の一番身近で行動する彼の従者であり、また夜叉丸に代わり夢現の指揮の殆どを一人で行う、表面上での夢現の支配者である。
赤茶髪の長髪、琥珀色の瞳。隻眼ではあるものの端正な顔立ちで黒い着物に傘を深く被っている、印象的な出で立ち。
元は名門武家の次期当主であり居合抜きの天才として世に名を馳せた真の実力者だが 十年程前、経緯は現状として不明だが自身の武家に一人で反乱を起こし、その際に血の繋がった実父を斬殺、果てに故郷の里を焼いている。以来消息を絶っていた為 世間では死んだ存在とされていた。
常時不敵に笑みを浮かべており、振る舞いこそ穏やかで冷静的ではあるものの、その思考は苛烈であり、凄惨であり、無慈悲である。
目的の為には手段を選ばない面や、成果を上げなかった己の部下をその時の機嫌で斬り殺し、時には味方ごと敵を攻撃する、又はその様な指示を部下達に強制して出す等と、其の支配は残虐且つ非道的で、利己的である。其の人柄もあり、部下には酷く恐れられている。
思い通りに行かない事を酷く嫌う。自分が快楽と感じた物や、気に入った人間には飽きるまで手を出し使い込む質で、然しつまらなくなれば突然無価値に思い捨ててしまう等、少々内面の残虐性は子供に似た様な所もある。掴みどころのない気まぐれ屋。
一見穏やかに人と接してる様に見せても、決して他者に情を持っている訳ではなく、自分への利益が一切感じないと思えば関わることすらしない。情を持たぬその内はまるで"虚無"其の物のよう。
斑瑪誠吉に対し何か関係があるのか、異常な程の強い憎悪と嫌悪感向けており、彼の存在を知るや否や、執拗にその身を狙う様になる。
また自身の主人である夜叉丸に対しては、言い知れぬ気味の悪さを抱いており、また人格的にもあまり彼を好意的に思っていない様でそれを明確に本人の前では言葉には出さぬ物の、本人にも隠す気がない程解り易く嫌悪感を表している。
夢現では圧倒的な「恐れ」を以て、部下を平伏させ 高圧的に支配しているが 然し彼自身は「生」への執着が異常な程に強く、同時に「死」に対し 強い恐れを持っている。
「人は恐怖には抗えない」「支配こそが力である」と、人の心理を理解し其れを利用し、他者の人生を掌握する。
また、口がよく回る非常に狡猾な策士であり、時には大名すらも惑わし自身の手玉に取る。自分に対し不利益を負う様な事は一切せず、利益だけを上手く得る事に粘着し、利用し吸い尽くした挙句に不必要になれば呆気なく捨ててしまう。人を心から憎んでおり、特に人の及ぼす"愛"に対しては特段酷い嫌悪感を見せている.
何かを只管に追い求めており、彼の望む果てには成し遂げたい何かの大きな目的がある様だ。
然し其れは人の理解が及ばぬ程の大きすぎる野望であり、身勝手な「八つ当たり」であり、其れでいて彼なりの復讐でもあるのだ。