殺し屋狩り集団、殺し屋狩夢現(ゆめあらわ)の幹部の一人。同じく幹部の一茶と銑十郎と共に夢現をする支配する役目を担っている完全であり完成された忍。
緑髪の髪を横流しに結い、鋭い金色の瞳を持つ。首に般若面を下げ、黒い忍装束に踵の高い靴を着用。脚絆の代わりに足に包帯を巻いており、着物表衣は腰巻きにして下げている。
元は西郷と言う城に仕える、幻と呼ばれた田心(たごころ)忍流派の次期頭目であり、同様の流派に属していた忍である夜助、飛鳥、半蔵、柚月の兄弟子にあたる男。
とある事をきっかけに主君である西郷の城に田心忍流の忍達を連れ謀反を起こし、城を陥落する。夜助等を裏切り果てに西郷より姿を消した。
又、その際謀反に加担した部下である田心流派の忍達を一人残らず引き連れ夢現に下り、その実力を認められ幹部の位置へ君臨した。
強いカリスマ性を持った、例の無い様な魔性の天才。
常に感情を表に出さない孤高の忍であり、要領が良く頭も回り、洞察力に非常に長けている。
一見すると無情で無口な印象を持つが、自身の意見を持たぬ訳では無く、決して無感情な訳でもないらしく、人に感情を向けぬのは「唯、其れに興味が無い」為である。
然し一見不気味な程に静かな彼のその素顔は、人に痛みを与える事を快楽とする苛烈なサディストであり、得手として扱う毒物で人を長時間かけて苦しめたり、または精神を修復不能な迄に破壊し尚も生かし、それを興味だけで見物する等、あまりにも歪みきった残酷な嗜好を持っている。
武器は鍔の無い忍刀、毒針 苦無を使用しており、それらの刃全てに強力な毒を仕込んでいる。扱う毒物には解毒が困難とされる独特な細工を施されており、強力な神経毒や致死毒等種類も様々で、彼自身は幻術なども得手としている。
影丸自身が毒薬を調合するのも得意の様で、それでいて本人も毒へ強い耐性を持っている為、生まれ持った田心の特性もあり大抵の毒は殆ど無効化してしまう。
義弟である田心の次兄、田心夜助に歪な執着心を見せており、異常な程に彼の存在を重要視する。
過去彼に理不尽に振り翳した全ての苦痛を自分なりの弟への 「愛」であったと称し、今も尚その歪み切った感情を揺らがせる事なく「誰よりも自分がお前を理解している」「お前もいつか其れを理解できる筈」と言った様な身勝手な思考を夜助に押し付けている。
斑瑪誠吉の事は「桜」と呼んでおり、
初対峙時には 彼に対し「興味がない」と無関心さを表していたが、事実は誠吉の人物性を見て冷静的に「関わりたくない」と感じたとも思われる。
河北一茶からの信頼は一番厚く、彼もまた一茶の実力を強く認め関心を向けている。時には正面から一茶に助言し軌道修正したりと、夢現で皆から恐れられる一茶に率直に意見を述べられる、数少ない人物とされる。
然し同じく幹部の北見銑十郎とは馬が合わない事も多く、銑十郎からはよく思われてない上彼自身も然程銑十郎に関心を向けていない。
夜叉丸に対しては基本的に必要最低限の接触しか行わないが、彼の掴めぬ不気味な雰囲気に影丸なりに強く警戒しているのか、表面上「主」と呼んでいても自身の上に立つものとしては一切認めていない上、直感的にあまり一茶を夜叉丸に接触させたくない様子もある。