殺し屋「鬼灯」に所属、暗殺専門のくノ一。
影丸と夜助の義妹、半蔵と柚月の義姉に当たる。
赤髪の短髪に紅桔梗色の瞳。兄と同じく首から般若面を下げ、太腿上までを覆う長い黒足袋を履き、瞳と同じ紅桔梗色の裾の短い着物を身に纏う。
武器は小太刀二刀、忍具、鋭利な糸を使用して戦う。
元は歴とした城に仕えた忍であり、女という身でありながらかつては田心忍流くノ一部隊の上忍だった実力者。
気が強く無愛想でその上融通も利かない。厳しい兄達の背中を見て育った為か彼女もまた他者に高圧的な態度を取ることが多く、厳しい口調で淡々と話し、その人柄も何処か刺々しく絡みにくい。
姉としての責任感からか、自分に厳しくかなり禁欲的であり、自己を追い詰める上に自身の限界を認めきれず、無理をしすぎる事が多々ある。
然し一見すれば気難しく見える彼女だが、幼い頃の彼女の性格は穏やかで優しく友好的であり、現在の彼女の振る舞いはそれら全て半蔵と柚月の姉であること、そして何よりくノ一としての己の身を弁えているが上での行動と捉えられる。
その素顔は隠しているが、根はとても臆病で繊細であり、兄の夜助曰くは「重度の苦労性」との事。自分に自信がなく、自己肯定感が低い上常に低姿勢で、そんな性格の少女期だった為か同郷の男に侮られ、幼い頃に強姦未遂を受けた事があり、それが原因で男性恐怖症を拗らせた。
今でこそそれを感じさせぬよう振る舞う彼女だが、幼い日に与えられた心の傷は深く、今でも異性に対しては嫌悪感と心底に恐怖心を抱いており、兄と弟以外の異性には基本的に差別的態度をとり突き放している。
兄である影丸から裏切りを受けた事や、彼の謀反を止められなかった事に対しては彼女自身も強く悔やんでおり、長く共にいた妹である身からしても彼の行いを許さず、確かな怒りを抱いている。然しかつて強く慕い憧憬を向け、共に育った兄上への想いからか、完全には影丸を恨む事は出来ずにおり、その中には苦悩も混じっている。
それでいて自分の全ての強み弱みを知っており、自分の全てを見抜く影丸を敵に回す事を本心では恐れている節もあり、事実、影丸を前にすると怯む様子もある。
血は繋がっていないとは言え、幼き日よりその背中を見ている内か、将又本能的な田心の血の性に抗えぬが故の物か、義兄に当たる夜助に対し、一般的兄上へと向ける物以上の愛情を抱いてしまっている。
彼の力になりたい、一番の理解者になりたいという献身的想いもありつつ、彼女自身、これを恋として認めたくはない様子があり、何より身内愛を越す自身の異常愛を、彼自身に悟られる事を恐れている。
故にこの感情をこの先、夜助本人に伝えるつもりも悟らせるつもりもない様で、強く内に秘めている。
また、半蔵が柚月に自分と似た様な強い想いを抱いてることを知っており、口では何を言う事はない物の、半蔵のその想いが自分に置き換えても何か思う事がある様で、時折彼を抑制する事もある。